12月 4th, 2024
人も犬や猫などのペットも、食べた物だけをカラダのエネルギーとしているわけではありません。腸の中で、食物を腸内細菌が分解・代謝して、ビタミンやアミノ酸などの栄養成分を作り出しているのです。その一つである「短鎖脂肪酸」の健康機能が最新の研究で解明されてきました。
【短鎖脂肪酸のおもな働き】
腸内環境に寄与する働き
①腸内を弱酸性に保ち、有害な菌の発育を抑制して、有用菌の発育を促す。
②腸の活動エネルギーになって、ぜん動運動を促す。
③腸が水やナトリウムを吸収する際のエネルギー源となる。
④腸管のバリア機能を強化する。等
全身に寄与する働き
⑤免疫の働きをととのえる。
⑥血糖値を一定に保つホルモンのインスリンの分泌を調整する。
⑦脂肪細胞の肥大化を抑制して、肥満を予防する。
⑧炎症を抑制する物質をつくって、生活習慣病などの予防と改善をする。等
出典:「腸のすごい世界」著者:國澤純(日経BP)
短鎖脂肪酸は有機酸の一種で、腸内細菌が食物繊維やオリゴ糖をエサにして生み出す成分です。
有益に働く短鎖脂肪酸は、酪酸・酢酸・プロピオン酸の3つになります。
短鎖脂肪酸の働きは多彩で、代表的なものは、上記の図の通りです。
①~④は、腸内環境に寄与する働きで、⑤~⑧は、体内に吸収されて全身に寄与する働きです。
どれも、健康を保つうえで、欠かせないものです。
短鎖脂肪酸は、お酢やチーズなどに含まれています。その食品を摂るのも一つの方法ですが、小腸で吸収されてしまうため、大腸で短鎖脂肪酸を増やす効果は低くなります。
腸内で短鎖脂肪酸を作るためには、【食物繊維やオリゴ糖が含まれる食事】をすることと、それを分解・代謝する【乳酸菌やビフィズス菌などの腸内細菌】がきちんといることが重要です。
やはり、人もペットも、元気な腸を保つことが健康のポイントですね。