10月 10th, 2025
人も動物も食べ物の好みがあります。 その好き嫌いが、腸内細菌と関係しているのではと、 様々な研究が進められています。
日本の動物園では、 コアラたちが、餌のユーカリの多くを選り好みして、食べ残してしまうことが課題になっています。 その要因を探った北海道大学大学院グループの研究をご紹介します。

コアラは、ユーカリの葉を食べて暮らしています。ユーカリには数百種もあり、繊維の質や毒性が異なります。そのため、コアラは、嗅覚や味覚を使って、なるべく消化・解毒しやすいものを選んで食べています。
そして、ユーカリの繊維や毒を消化・解毒するのを助けているのは、肝臓の解毒酵素や腸内細菌です。
そこで、日本の動物園のコアラの腸内細菌を調べたところ、それぞれのコアラは100種前後の腸内細菌を持っていると推定されました。その多様性(種類の数や割合の豊富さ)や組成(菌種の違い)は、コアラによって大きく異なっていました。
コアラは、乳児期に、母親の盲腸便を摂取することで、母親から腸内細菌を受け継ぐと考えられています。ユーカリの好みと調査した腸内細菌を比べてみると、 やはり相関がありました。
つまり、コアラは、母親を通じて受け継がれてきた腸内細菌が消化・解毒できるユーカリを、選んで食べているといえます。コアラの腸内細菌を調べることで、動物園の餌の無駄をなくすることができるようになるかもしれません。
*参考文献:「飼育コアラにおける母系の遺伝的背景の腸内マイクロバイオームおよびユーカリ食選択との関係」
私たちが、好んで食べているものは、 実は、 腸内細菌の好みかもしれませんね。
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